くすりと糖尿病
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原著論文
4種のインスリングラルギン製剤を対象とした自己注射専用針の太さの違いによるコアリングの発生頻度の比較
南 冴弥香志賀 菜々穂朝倉 俊成
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ジャーナル 認証あり

2018 年 7 巻 1 号 p. 54-59

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抄録

注射針とインスリン製剤との組み合わせによるコアリングの発生頻度を明らかにするために,ランタス注ソロスター(SOL)とランタスXR注ソロスター(XRS),そしてバイオシミラー(BS)であるBS注ミリオペン「リリー」(MIR)とBS注キット「FFP」(FFP),に対するマイクロファインプラス31G×5mm(BD31G)および32G×4mm(BD32G)を用いて,コアリングの発生頻度を調査した.空打ちし,収集した液(A液)と注入器内に残った液(B液)を試料とし,フィルターでろ過し,フィルター上のゴム片数を顕微鏡で計測した.温度別の比較では有意差はなかった.針の種類別の比較では,ゴム片数はA液ではBD31Gが有意に多く,B液ではBD32Gが有意に多かった.ゴム片が出やすい製剤と針の組み合わせはBD31GではMIR>XRS>SOL>FFPであり,BD32GではMIR>SOL>FFP>XRSの順でゴム片が多かった.今回の調査では針の太さがコアリングに影響を与える因子の一つであることが明らかになった.

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© 2018 一般社団法人日本くすりと糖尿病学会
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