Journal of Pesticide Science
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In vitro P450評価系を用いたワタアブラムシCYP6CY22およびCYP6CY13の研究
平田 晃一上樂 明也桑崎 誠剛下村 肇岩佐 孝男
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2017 年 42 巻 3 号 p. 97-104

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抄録

野外で採集した串間系ワタアブラムシ(KR clone)は,ネオニコチノイド系殺虫剤に抵抗性を示す(23.8–394倍).次世代シーケンサーとRNA-seqを用いて,串間系で有意に発現上昇している9個のP450遺伝子を特定した.また,S2細胞の一過性発現系を改良して,ワタアブラムシP450発現系を確立した.この系を用いて調べたところ,特にKR cloneで有意に発現上昇が認められたCYP6CY22とCYP6CY13はスルホキサフロルを除き試験したネオニコチノイドを速やかに代謝した.これらのP450は今後ネオニコチノイド抵抗性の要因になる可能性が示唆されるとともに,本研究で開発された手法は十分量の昆虫P450発現を可能にし,今後の殺虫剤抵抗性研究や代謝物の構造解析に寄与すると期待される.

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© 2017 日本農薬学会
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