Journal of Pesticide Science
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プロシミドンの発生毒性の種差に関する研究—妊娠ラット、ウサギ、サルにおける胎盤透過性—
樽井 弘和冨ヶ原 祥隆 永堀 博久杉本 健二茂木 正行川村 聡磯部 直彦金子 秀雄
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2018 年 43 巻 2 号 p. 79-87

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抄録

殺菌剤プロシミドン(Sumilex®)の発生毒性の種差をもたらす原因を明らかにするため,14C標識プロシミドンを妊娠したラット,ウサギおよびサルに投与し,プロシミドンおよびその代謝物の胎盤透過性につき検討した.その結果,弱い抗アンドロゲン活性を有するプロシミドンおよびその水酸化代謝物が他の代謝物と比べ胎児へ移行しやすいこと,それらの胎児中濃度がラットで最も高いこと,さらに,ラット胎児中水酸化代謝物濃度がプロシミドン濃度よりも高いことが明らかとなった.特にラットでは,とりわけプロシミドンを反復投与した際に,水酸化代謝物がプロシミドンよりも長く胎児中に留まった.これらの結果より,プロシミドンの水酸化代謝物がラットにおいて発生毒性を発現する主原因の1つであることが示唆された.

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© 2018 日本農薬学会
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