抄録
500万化合物の構造データーベースからインシリコスクリーニングによって選抜した化合物を,シロイヌナズナを用いたブラシノライドのアゴニスト・アンタゴニスト活性評価に供した.評価した化合物の中で.N-benzoyl-N′-phenylpiperazine(NBNPP)の置換誘導体にアンタゴニスト活性が見いだされた.次に,ベンゼン環の置換基を変化させたN-(3,4-dihydroxybenzoyl)-N′-(4-butanoyl-2-fluorophenyl)pyrazineを合成し活性評価を行ったところ,アゴニスト活性のあることがわかった.そこで,この化合物をNSBR1と名付けた.NSBR1は,ブラシノライドに特徴的な作用として知られるCPD, BR6-ox2遺伝子の発現の抑制を引き起こすことも確認した.NSBR1の分子設計には分子動力学の手法を応用した.さらに,ブラシノライドのアゴニスト活性評価系として知られているイネの葉身屈曲試験を用いてNSBR1のアゴニスト活性を定量的に評価したところ,50%効果薬量(ED50)は0.79 mmol/plantであった.