Journal of Pesticide Science
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ブラシノステロイド生合成研究の最近の動向
大西 利幸
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論文ID: D18-040

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抄録
ブラシノステロイド(BR)は植物の生長や環境適応の関与する植物ステロイドホルモンである.BR生合成経路上の多くの酸化/水酸化反応をシトクロムP450酵素が触媒することが知られている.BR生合成突然変異体を用いたラベル体追跡実験や内生量分析実験から,BRの最も活性の高いブラシノライドがカンペステロールからカンペスタノール(CN)を経由して生合成されることが提示されてきた.しかし,近年,シトクロムP450酵素を対象とした生化学的解析結果から,CNを経由しないCN independent pathwayの存在が明らかになり,またこの経路がBR生合成における主経路であることが示唆された.本総説では,BR生合成酵素の生化学的研究とCN independent pathwayについて紹介するとともに,植物成長調節剤としてだけでなく,BRの生理機能解明のケミカルバイオロジーのツールとしても活用されているBR生合成阻害剤やアンタゴニスト/アゴニストについても紹介する.
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© 2018 Pesticide Science Society of Japan
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