Journal of Pesticide Science
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土壌中の除草剤モリネート分解菌相の特徴
土壌微生物による除草剤モリネートの分解 (第1報)
今井 康史鍬塚 昭三
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1986 年 11 巻 1 号 p. 57-63

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抄録
アゼピン環をラベルしたモリネートおよび非標識モリネートを用い, 土壌環流系からのモリネートの消失パターンと環流土壌中のモリネート分解菌の種類と菌数を測定した. 用いた3種類の土壌とも環流により分解活性は変化しなかった. 14C-モリネートを用い, 安城土壌を環流したところ, 14CO2が発生し, 数種の分解物が出現したが, とりわけS-カルボキシルメチル体が顕著に蓄積した. 安城土壌から単離されたさまざまな種類の糸状菌, 細菌, 放線菌がモリネートを分解した. 分解菌の全菌数に対する割合は, それぞれのグループでいずれも環流前で約30%であり, この割合は環流により大きく変化しなかった. これらの微生物によるモリネートの分解様式はコメタボリズムであった. とくに高い分解活性をもつ菌として, Mycobacterium sp., Flavobacterium sp., Streptomyces sp. および Fusarium sp. が同定された.
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