Journal of Pesticide Science
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ヘキサン溶液中におけるヘキサクロロベンゼンのキセノンランプ照射による光分解
腰岡 政二飯塚 宏栄金沢 純鈴木 隆之山田 忠男升田 武夫村井 敏信
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1987 年 12 巻 3 号 p. 477-482

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抄録
ヘキサクロロベンゼン (HCB) はキセノンランプ照射下, とくに212.8nmから292.1nmの波長域において容易に光分解を受け, 252.6nmで最大の分解率を示した. 33.3分照射下において, 1ppm溶液, 10ppm溶液とも252.6nmでほとんど分解した. 100ppm溶液においては37.6%の親化合物が残存していた. 光分解反応は還元的脱塩素反応であり, 光分解生成物として, ペンタクロロベンゼン, テトラクロロベンゼン, トリクロロベンゼン, ジクロロベンゼンおよびモノクロロベンゼンがGC-MSにより同定された. 異なった波長での照射下では, 異なった種類のクロロベンゼンが生成し, その量も波長により異なった. キセノンランプ照射後の回収率, とくに286.1nm以上での結果は, 分解は遅いが, 環境中でのHCBの光分解の可能性を示唆した.
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© 日本農薬学会
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