Journal of Pesticide Science
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Metoxadiazone のラットにおける代謝
磯部 直彦大江 亜矢子井藤 重美斎藤 幸一中塚 巌吉武 彬宮本 純之
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1987 年 12 巻 4 号 p. 721-728

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抄録

5-メトキシ-3-(2-メトキシフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2(3H)-オン, metoxadiazone (Elemic®) のべンビン環14C標識体をSD系雌雄ラットに1mg/kgの割合で1回経口または皮下投与すると, 14Cは速やかに主に尿中へ排泄された. 尿中への14C排泄量は, 投与後1日間に投与量の68~75%, 7日間に80~90%であった. 糞および呼気への14C回収率はそれぞれ7~18%および0.1%であった. 肝, 腎および他の組織の14C濃度は投与後0.5~1時間目に最高となり, それぞれ4.1, 2.0および<0.1μg metoxadiazone 相当量/g組織 (ppm) であった. その後14C濃度は低下し, 投与後1日目には1.0ppm以下, 7日目には0.1ppm以下となった. 14Cは血球に残留する傾向を示したが, その濃度は低かった. 9種類の代謝物を同定した. 尿中の主代謝物は, N′-メトキシカルボニル-2-ヒドロキシフェニルヒドラジン, N′-カルボキシ-2-ヒドロキシフェニルヒドラジンおよびレゾルシノールの硫酸抱合体であった. Metoxadiazone は尿および糞中に検出されなかった. 主要な代謝はオキサジアゾロン環の加水分解, メトキシフェニル基の脱メチル化および硫酸抱合化であった.

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© 日本農薬学会
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