Journal of Pesticide Science
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キュウリプロトプラストに対する数種非イオン性およびアニオン性界面活性剤の影響
小林 一成久能 均佐原 雅子山岡 直人
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1990 年 15 巻 1 号 p. 71-80

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抄録
二種の非イオン性界面活性剤, ポリオキシエチレン (n=10) ノニルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレン (n=5) ラウリルエーテルの100ppmでキュウリプロトプラストを処理すると, プロトプラストは膨潤した後に破裂した. 両者は葉緑体のラメラ構造に特異的に作用したが, この破壊作用は後者のほうが強かった. 他の二種の非イオン性活性剤, ポリオキシエチレン (n=10) オレイルエーテルおよびポリオキシエチレン (n=20) ステアリルエーテルは光学顕微鏡的には1000ppmまでプロトプラストに影響がないようにみえたが, 電子顕微鏡で観察すると, 両者は葉緑体に点状または線状の電子密度の低い領域を形成した. 二種のアニオン性活性剤, ジオクチルスルホサクシネート・Na塩およびジブチルナフタレンスルホネート・Na塩は1000ppmでプロトプラストをほぼ完全に破壊した. オルガネラのなかでは葉緑体が各活性剤に対して最も感受性が高かった.
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© 日本農薬学会
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