1990 年 15 巻 4 号 p. 573-578
アズキゾウムシの産卵刺激物質を寄主であるアズキの水抽出物から精製単離した. このカイロモンの化学構造を主として機器分析結果からD-カテキン (2S, 3S)-3,5,7,3′,4′-pentahydroxyflavan) と同定した. D-カテキンはガラスビーズ当り0.2~2ng塗布することで活性を示し, アズキ1個 (平均136mg) の種皮に平均17.6μg含まれていた. アズキより精製したD-カテキン分画に, 市販のD-カテキン標品よりも10倍高い生物活性が認められることから, さらに他のカイロモン成分あるいは共力剤の存在が示唆された.