Journal of Pesticide Science
Online ISSN : 1349-0923
Print ISSN : 1348-589X
ISSN-L : 0385-1559
D-カテキン-小豆に含まれるアズキゾウムシの産卵刺激物質
植野 富和桑原 保正藤井 宏一Mark L. TAPER徳永 幸彦鈴木 隆久
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 15 巻 4 号 p. 573-578

詳細
抄録

アズキゾウムシの産卵刺激物質を寄主であるアズキの水抽出物から精製単離した. このカイロモンの化学構造を主として機器分析結果からD-カテキン (2S, 3S)-3,5,7,3′,4′-pentahydroxyflavan) と同定した. D-カテキンはガラスビーズ当り0.2~2ng塗布することで活性を示し, アズキ1個 (平均136mg) の種皮に平均17.6μg含まれていた. アズキより精製したD-カテキン分画に, 市販のD-カテキン標品よりも10倍高い生物活性が認められることから, さらに他のカイロモン成分あるいは共力剤の存在が示唆された.

著者関連情報
© 日本農薬学会
前の記事 次の記事
feedback
Top