Journal of Pesticide Science
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N-メチルカーバメート抵抗性ツマグロヨコバイのアセチルコリンエステラーゼに対する有効な阻害剤, アリルN-プロピルカーバメート
山本 出興村 伸夫高橋 洋治
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1977 年 2 巻 4 号 p. 463-466

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抄録

Aryl N-methylcarbamates 抵抗性のツマグロヨコバイに有効な化合物を見いだす目的で, アセチルコリンエステラーゼ (AChE) の阻害力を指標にして, 種々の構造改変を行なった. その結果, carbamyl moiety のN-メチル基を, 他の低級アルキル基に変換すると, 抵抗性ツマグロヨコバイのAChEを阻害する能力が強くなることを見いだした. その中でもN-プロピル同族体が最も活性の強いものであった. そして N-methylcarbamates に対して抵抗性が強くなるとそのAChEは N-propylcarbamates に対しては逆に感受性になるという負相関の現象を見いだした. つぎに, 感受性および抵抗性両系統のツマグロヨコバイのAChEに対する阻害定数の測定を行なった. その結果 N-methylcarbamates が抵抗性のAChEに対して阻害力の低下する主要因はKdの増大, すなわち N-methylcarbamates に対する親和力の低下であり, また N-propylcarbamates の強い阻害力はKdの減少 (親和力の増加), k2の増加 (carbamylation の増大) という二つの要因によることが明らかとなった.

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© 日本農薬学会
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