抄録
グルタチオンS-トランスフェラーゼによる有機リン殺虫剤ダイキャプソンとフェニトロチオンのO-アルキル抱合とO-アリール抱合の反応割合を各種昆虫の上清 (全虫体) を酵素源に用いて検討した. フェニトロチオンは供試した6種の昆虫 (アズキゾウムシ, クリシギゾウムシ, ツマグロヨコバイ, スジマダラメイガ, モモノゴマダラノメイガ, ニカメイガ) すべてにおいてO-アルキル抱合が優先したが (90%以上), ダイキャプソンではO-アリール抱合の割合が高く, とくにアズキゾウムシ, ツマグロヨコバイ, スジマダラメイガではO-アリール抱合が優先した (60~80%). またハスモンヨトウの各種臓器におけるダイキャプソンのグルタチオン抱合を調べた結果, マルピギー氏管, 中腸ではO-アルキル抱合が優先 (74~89%) したのに対し, 脂肪体ではO-アリール抱合が優先 (67%) するという, 臓器間での際だった違いが認められた.