Journal of Pesticide Science
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ディハイドロピラゾール系殺虫剤DPX-JW062のラット末梢神経系の電位依存性ナトリウムイオン電流に対する抑制作用
永田 啓一池田 朋子本田 洋正野 俊夫
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1998 年 23 巻 1 号 p. 62-64

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抄録

Dihydropyrazole 系殺虫剤DPX-JW062の作用機構を明らかにするために, 哺乳類の末梢神経系に存在する電位依存性ナトリウムチャネルに対する作用を電気生理学的手法であるホールセルパッチクランプ法を用いて検討した. DPX-JW062はナトリウム電流のピーク電流を濃度依存的に抑制したが, その作用は強くなかった. ナトリウム電流の不活性化過程を表す時定数は2成分あったが, そのうち速い成分はDPX-JW062によって影響を受けなかったのに対して, 遅い成分はDPX-JW062の濃度依存的に減少した. またピークに達するまでの時間は濃度依存的に延長した. 以上の結果からDPX-JW062は哺乳類のナトリウムチャネルに対する作用は弱いことが示され, この殺虫剤の選択毒性の機構の一つになっている可能性が示唆された. またナトリウムチャネルの不活性化過程の2成分に対して異なった作用を示したことと, ピークに達するまでの時間が濃度依存的に減少したことから, DPX-JW062の作用がナトリウムチャネルのサブタイプ間で異なる可能性があることが示唆された.

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