1999 年 24 巻 2 号 p. 123-129
アカマツ内樹皮の含水アセトン抽出物から単離したマツノマダラカミキリ産卵刺激物質をフラバノノール配糖体, 即ち, (-)-2,3-trans-dihydroquercetin-3′-O-β-D-glucopyranoside と同定した. この抽出物から高分子プロアントシアニジンの他に, 2種のプロアントシアニジン二量体も単離し, それらをプロシアニジンB-1[epicatechin-(4β→8′)-catechin] 及びB-3[catechin-(4α→8′)-catechin] と同定した. その抽出物から得たある画分の存在下で, 高分子プロアントシアニジンとB-1もしくはB-3の混合物はマツノマダラカミキリの産卵を刺激した. この配糖体, B-1, B-3及び高分子プロアントシアニジン単独では不活性であった.