2000 年 25 巻 4 号 p. 395-397
1992年に熊本県, 1993年に茨城県で採集したヒメトビウンカの薬剤感受性を検定した結果, 熊本個体群は茨城個体群に比ベカーバメート剤に対する感受性が非常に低かった. しかし, エトフェンプロックスやイミダクロプリドに対する感受性は両個体群ともかなり高く, 両個体群間に差はなかった. 茨城個体群は累代飼育している感受性個体群に比べ有機リン剤に対してのみ感受性が低かったが, 熊本個体群は有機リン剤とカーバメート剤に対し感受性が低かった. 有機リン剤に抵抗性の熊本, 茨城個体群のアリエステラーゼ活性は感受性個体群のそれより高かった. 熊本個体群のアセチルコリンエステラーゼはカーバメート剤に対し明らかに感受性が低く, また有機リン剤に対する感受性もやや低い傾向を示した.