Journal of Pesticide Science
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メトキシフェノンの土壌および作物残留
伊沢 岳男浅香 四郎
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1979 年 4 巻 1 号 p. 61-65

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抄録

メトキシフェノン (3,3′-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン) とその主代謝物3,3′-ジメチル-4-ハイドロキシベンゾフェノン (メトキシフェノン-OH体) の土壌およびイネならびに各種作物におけるメトキシフェノンの残留試験を実施した.
メトキシフェノンの分析は, ECD付glcにより, また土壌中における主代謝物のメトキシフェノン-OH体の分析は, 無水酢酸とピリジンによりアセチル誘導体にしてECD付glcにより測定した.
土壌中の容器内試験におけるメトキシフェノンの推定半減期は, 畑地条件で23~30日, 湛水条件で7~10日であった. メトキシフェノン-OH体の生成は, 畑地条件では添加量の1%であるのに対し, 湛水条件では26~55%であった. 収穫作物におけるメトキシフェノンの残留は, ニンジンの0.042ppmを除き検出限界以下であった. また, 通常使用薬量の2倍を施用した場合でもイネ体からは, メトキシフェノンおよびメトキシフェノン-OH体は検出されなかった.

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© 日本農薬学会
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