Journal of Pesticide Science
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貯蔵穀物中のビオレスメトリン, フェノトリン, d-フェノトリン, ピレトリン I, カルバリル, フェニトロチオン, ピリミホスメチル, ジクロルボスの分析法の比較検討
デスマーチェリーア J. M.
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1980 年 5 巻 4 号 p. 521-532

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抄録
7種の穀物中の貯穀害虫防除剤9種の抽出および定量法を検討した. ジクロルボス, フェニトロチオン, メタクリホス, ピリミホスメチルはメタノールまたはエタノールに12時間浸漬により36時間浸漬の90%以上が抽出され, ヘキサン抽出より効率がよい. これら有機リン剤はFPDガスクロマトグラフにより定量する. 添加回収率はすべての穀物で84~100%であった. フェニトロチオンは4-ニトロ-o-クレゾールに加水分解し, 塩化バリウム添加により精製したのち比色定量することもでき, この方法は2mg/kg以上の場合に適する. 80%以上のカルバリルがエタノールに12時間浸漬により抽出される. カルバリルはナフトールとしクロルアセチル化してECDで定量するか, 4-ニトロベンゼンジアゾニウム塩を発色試薬としたtlcで半定量する. アルカリ溶液と無水クロロ酢酸のエーテル溶液によるアセチル化は95%以上進むが, 4-ニトロフェノール等の酸性フェノールでは水溶液のpHが当該フェノールのpKaに近いことが必要である. エタノール, 石油エーテル, アセトンで36時間浸漬した場合の90%以上のビオレスメトリン, フェノトリン, d-フェノトリン, ピレトリンエが石油エーテル12時間浸漬により抽出される. これらピレスロイドはアルカリ分解し, 菊酸と硫酸水銀の反応を用いて比色定量する. 添加回収率は89~95%であった.
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© 日本農薬学会
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