Journal of Pesticide Science
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Tricyclazole のいもち病菌胞子二次感染阻止機構
奥野 哲郎北村 吉覇松浦 一穂
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1983 年 8 巻 3 号 p. 361-362

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抄録

tricyclazole (0.5μg/ml以上) を含む寒天培地上に形成されたいもち病菌胞子は透明な付着器をセルロース膜上に形成した. この付着器は膜侵入能を欠いていた. tricyclazole (100μg/ml) 噴霧処理イネ葉上に形成された胞子もセルロース膜上に膜侵入能をもたない透明な付着器を形成した. これらの結果は tricyclazole 存在下で形成された胞子中に薬剤が浸透移行し, さらにその胞子より形成される付着器の黒色化 (メラニン化) を阻害すること, およびその結果として付着器からの侵入を阻害することを示している. このことがこれまで二次感染阻害作用として報告されてきた本薬剤の作用特性の一部を説明するものと思われる.

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