ヒューマンファクターズ
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研究論文
微小な奥行き弁別課題に与える局部照明条件と視覚機能の影響
-課題成績の年代別比較-
脇水 俊行村田 厚生土井 俊央
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2022 年 26 巻 2 号 p. 41-50

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抄録

本研究は、鉄道車両等機械装置の目視検査に使用されるハンディライトの光源が、白熱電球から白色LEDに変わった際、50代以上の作業者を中心に“平面的に見える”等の意見が上がったことから、目視検査を模した微小な奥行き弁別課題に与える局部照明条件と視覚機能の影響について調査と課題成績の年代別比較を行ったものである。実験の結果、局部照明を用いた目視検査で微小な凹凸を確認する場合、20代、30 代と50代、60代では課題成績に差が見られないことが判明した。また視覚機能と照明条件に関して、作業にあたり視力の左右不均衡は小さいほうが望ましいこと、特に50 代、60 代の作業者においては、グレアの発生を抑制するため、照明の照度は見やすいと感じるよりも暗めの照度(1000 1x 以下)を使用するのが望ましいこと、照明の分光成分は課題成績に影響を与えないこと、局部照明条件より周辺環境の影響が大きい可能性も明らかとなった。

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