抄録
O2/CO2の共存下または不在下で鉄/アルミナ系触媒を用いてメタン分解を検討した。O2/CO2の共存下 (CH4/O2/CO2 = 80/10/5体積比) でも, 1100 K以下の温和な温度で, 鉄/アルミナ系触媒の活性低下が観察された。これは, 炭素蓄積と鉄の非酸化物種 (α-Fe, Fe3C) の酸化によるものと推定した。なお, これらの鉄種の存在は, 粉末X線, TG/DTAおよびin-situ DRIFT-IRなどにより確認した。O2/CO2の共存下のメタン分解における鉄/アルミナ系触媒の安定性は, 他の金属の添加 (金属/鉄=1/1重量比) により改善した。すなわち, 鉄/アルミナ系触媒では, 6時間の反応でメタン転化率は95% から79% に低下したのに対して, Mg添加により効果は最も大きく, 鉄/Mg/アルミナ系触媒の973 Kにおけるメタン転化率 (約95%) は6時間後でも一定であった。Mgの添加効果はMgFe2O4の生成と関連があることを推定した。Mg以外の添加物効果は, Ce, Y > Eu, La > Pr, none > V > Nbという序列であった。