Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
アルミナ担持NiMoP触媒におけるP添加方法の影響─4,6-ジメチルジベンゾチオフェンの水素化脱硫反応および固体NMRによる検討─
神戸 英樹萩原 和彦大崎 貴之藤川 貴志銭 衛華
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2004 年 47 巻 2 号 p. 115-120

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抄録
アルミナを担体としたNiMo触媒およびP添加方法の異なる4種のNiMoP触媒を用いて,4,6-ジメチルジベンゾチオフェン(4,6-DMDBT)の水素化脱硫反応およびMAS NMR解析を行い,NiMoP触媒におけるP添加方法の影響を検討した。
脱硫活性においてP添加は添加方法により正負両方の効果を有することがわかった。一方,動力学的検討および反応機構解析の結果,活性化エネルギーおよび生成物の選択性にはP添加の有無および添加方法による差がなかった。この結果は,NiMo触媒におけるPの添加およびPの添加方法は4,6-DMDBTの水素化脱硫反応機構に影響を及ぼさないことを示唆している。また,MAS NMRを用いて触媒表面構造を解析した結果,Pの添加方法はアルミナ担体上でのPの分散状態に影響を及ぼすことがわかった。そして触媒上のPが高分散しているほど触媒は高脱硫活性を示す傾向にあった。これは,Pの分散性が担持されたMoクラスターの構造に影響を及ぼし,硫化過程において活性金属の硫化度に影響を及ぼすためと考えられる。
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© 2004 公益社団法人石油学会
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