抄録
最近,液晶やエンジニアリングプラスチックの原料として注目されている4,4'-ジメチルビフェニルの高収率合成を目的として,4-メチルビフェニルのパラ位の選択的メチル化に対する超臨界メタノールの適用性を検討した。バッチ式反応器を用いて,触媒の種類,反応温度,反応圧力,反応時間,メタノールと4-メチルビフェニルの仕込みのモル比,触媒と4-メチルビフェニルの仕込みの重量比の影響を広範囲にわたって測定した。実験結果から,超臨界メタノールとSAPO-11触媒を組み合わせることにより,300℃,14~16 MPa,反応時間0.5 h,メタノールと4-メチルビフェニルの仕込みのモル比15~20,触媒と4-メチルビフェニルの仕込みの重量比0.4~0.6において,70~85% という高い4,4'-ジメチルビフェニルの選択率が得られること,超臨界と気相状態のメタノールを比較すると,約20~50% の範囲の同じ4-メチルビフェニル転化率において,超臨界メタノールの方が1.5~3.4倍高い4,4'-ジメチルビフェニルの選択率を示すこと,4-メチルビフェニルのメチル化は触媒表面でのコーク生成により約1時間で停止することがわかった。