Journal of the Japan Petroleum Institute
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総合論文
担持金触媒および鉄添加白金触媒の低温CO酸化における金属–酸化物界面の重要性
冨田 衷子田尻 耕治多井 豊
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2015 年 58 巻 4 号 p. 218-227

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抄録

室温以下の低温においても高いCO酸化活性を発現する担持金触媒と水賦活処理鉄添加白金触媒におけるCO酸化反応メカニズムを議論する。興味深いことに,両触媒とも金属-酸化物界面が反応に重要な役割を有する。金触媒系に関しては,サイズを制御したチオール保護金ナノ粒子をチタニア被覆シリカエアロゲルに吸着担持した触媒を種々の条件下で熱処理し,硫黄化合物の形態と触媒活性の相関を調べた。その結果,金-担体界面を硫酸イオンが部分的にブロックすることで,反応機構に影響を及ぼすことなく反応速度を降下させること,また広いサイズ領域において,金-担体界面が反応サイトとなることが示唆された。水賦活処理鉄添加白金触媒においては,水賦活処理時におけるPt種の移動により,効果的に白金-酸化鉄界面が形成されることが示唆された。鉄の酸化還元を伴う活性酸素の効果的な供給により,極めて低い活性障壁でCO酸化が起こるものと考えられる。

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© 2015 公益社団法人石油学会
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