Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
対向拡散法によるプロピレン╱プロパン分離用ZIF-8膜の作製における反応温度の影響
原 伸生 吉宗 美紀根岸 秀之原谷 賢治原 重樹山口 猛央
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2015 年 58 巻 4 号 p. 237-244

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抄録

金属有機構造体の一種であるzeolitic imidazolate framework-8 (ZIF-8)は,プロピレン/プロパン分離用の新規膜素材として注目される。ZIF-8膜の作製方法として,直接重合法,二次成長法,および対向拡散法が報告されている。特に対向拡散法は,分離層における欠陥を大幅に低減できることが特長である。本研究では,対向拡散法を用いたZIF-8膜の作製において,反応温度がZIF-8膜の構造とプロピレンとプロパンの透過特性に与える影響を検討した。α-アルミナ多孔質中空管を支持体として用いて,反応温度25~125 ℃の範囲において対向拡散法によるZIF-8膜の作製を行った。反応温度25 ℃において得られたZIF-8膜は,ZIF-8層厚さが70 μmであったが,反応温度125 ℃においてはZIF-8層厚さが40 μmに減少した。反応温度100 ℃において,プロピレン透過度2.2 × 10−9 mol m−2 s−1 Pa−1,プロピレン/プロパン理想分離係数10が得られた。各反応温度において得られたZIF-8膜の構造の解析と,単成分および混合成分のプロピレンとプロパンの透過特性の解析を行った。

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© 2015 公益社団法人石油学会
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