2016 年 59 巻 2 号 p. 65-71
表面に数nmのSiO2薄層を形成したNiナノ粒子のCO選択メタン化活性を評価した。シランカップリング剤を用いて形成したSiO2薄層は,低いSi/Niモル比でもNiナノ粒子同士の接触・焼結を効果的に抑制し,これまでゾル・ゲル法で形成したメソポーラスシリカ被覆Niナノ粒子より単位重量あたり20 %も高いNi表面積を有する。これを家庭用燃料電池における燃料改質器のCO選択メタン化触媒として評価したところ,入口CO濃度0.5 %,空間速度4800 h–1において,従来触媒を上回る155 °Cの低温からCOを10 ppm以下に低減でき,3000 hの連続運転においてもその高い活性を維持し続けた。また,燃料改質器に適用する上での高いCO除去活性と反応選択性を両立する温度ウインドウは従来触媒と同等であった。