抄録
ナフテンの脱水素反応を利用した燃料電池用の水素貯蔵システムを提案した。このシステムでは脱水素反応器にパラジウム系のメンブレンリアクターを使用するが,水素透過量があまり大きくないので未透過の水素も回収する必要がある。既報では水素および未反応物を冷却して気液分離し,気相についてはさらに吸着カラムを用いる方法を考えて,ナフテン,芳香族および,その等物質量混合物の水素溶解度を報告した。本報ではナフテン,芳香族,およびその等物質量混合物の蒸気で飽和させた水素気流に対する活性炭への吸着実験を行った。装置は本研究のために新たに構築した流通法に基づくものであり。TCDおよびFIDのいずれも搭載したガスクロマトグラフが備え付けられている。この装置を用いてベンゼン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサン,トルエン,およびベンゼン+シクロヘキサン,メチルシクロヘキサン+トルエンの破過曲線,非吸着量を気相圧力347 kPa,温度303.15 Kにおいて測定した。最後に,メンブレンリアクターのナフテン反応率と水素の透過率を仮定し,水素溶解度および吸着データから水素精製に必要な活性炭質量を見積もった。