2016 年 59 巻 6 号 p. 307-310
石油学会法(JPI-5S-22-83,以下JPI法と記す)におけるカラムクロマトグラフィーによる飽和分,芳香族分,レジン分の分離を市販のリービッヒコンデンサーをカラムとして約1/4スケールでJPI法と同等の結果を得る方法(DS法)を検討した。本法はJPI法の約1/4のスケールで分離を行う方法である。中東系重質残油およびCold Lake産オイルサンドビチューメンの常圧残油から回収したペンタン可溶分(ME,CL)をJPI法およびDS法で分画した結果,飽和分,芳香族分,レジン分の回収率の繰り返し誤差はおおむね2 wt%以内であり,JPI法とDS法の差は繰り返し誤差と同等であった。また,回収した分画の元素分析も良い一致を示した。これらの結果よりDS法はJPI法と同一の結果を示し,JPI法の代わりに使用できることが示された。