Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文
ギ酸の脱水素反応による水素生成のためのジアゾールを配位子に含むイリジウム触媒
眞中 雄一尾西 尚弥井口 昌幸川波 肇姫田 雄一郎
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2017 年 60 巻 1 号 p. 53-62

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抄録

窒素含有二座配位子を含むハーフサンドイッチ型イリジウム錯体を用いたギ酸の脱水素化反応は,水中の温和な条件で反応し有機添加物を必要とせず,かつ一酸化炭素を含まない水素を供給できることから,有望な水素製造方法である。また,ギ酸は二酸化炭素の水素化によって製造できることから,ギ酸を水素のキャリアとして用いることは二酸化炭素の有効活用につながる。本稿では,ジアゾール(イミダゾールとピラゾール)部位を配位子として含む一連の錯体触媒の水中でのギ酸脱水素化反応について評価を行った。未修飾のジアゾール配位子を持つ錯体は,これまでに報告された水酸基で修飾されたビピリジン型の触媒を上回る性能を示した。さらに,ジアゾール部位を電子供与基のメチル基で修飾することにより,活性をさらに向上させることができた。実用上での触媒特性についても調査を行ったところ,未修飾のジアゾール部位を持つ錯体は,高濃度のギ酸溶液中で,70 ℃の反応条件下少なくとも一週間以上活性を持つことが示された。さらには,4,4’-ビイミダゾール配位子を持つ錯体を密閉容器中でギ酸と反応させたところ,常圧条件での反応と比べて,顕著な反応速度の低下を伴うことなく,高圧ガスを生成することができた。これらの特性から,錯体触媒のリガンド中にジアゾール部位を含むことがギ酸からの水素の発生に効果的であり,ジアゾールは有望な配位子基礎骨格であると結論した。

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© 2017 公益社団法人石油学会
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