Journal of the Japan Petroleum Institute
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一般論文 — 特集「鳥取大会」 —
第一原理計算を用いた水素化脱硫触媒における酸化チタンコーティングの効果に関する考察
入口 広紀 浦谷 浩輝工藤 孝夫関 浩幸山下 晃一
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2018 年 61 巻 5 号 p. 288-293

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抄録

高活性水素化脱硫触媒の開発指針を得るため担体_担持金属相互作用に着目して酸化チタンコーティングを題材に担体を酸化アルミニウム,担持金属種を二硫化モリブデンとして第一原理計算を行った。まず,酸化アルミニウムと酸化チタンの表面上にそれぞれ二硫化モリブデンクラスターを配置し,吸着エネルギーの計算を行った。その結果,酸化チタンが酸化アルミニウムより二硫化モリブデンと強く相互作用することが分かった。次に,酸化アルミニウム上に酸化チタン薄膜を積層させたモデルの上に二硫化モリブデンクラスターを配置し,吸着エネルギーの計算を行った。その結果,積層数によって吸着エネルギーが変化し,最適な薄膜厚さが存在することが示唆された。さらに,モデルを現実系に近づけるべくアモルファスな酸化アルミニウム担体モデルを作成し,同様に吸着計算を行った。吸着エネルギーは結晶系より大きくなり,安定な吸着となる箇所の存在を確認した。

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© 2018 公益社団法人石油学会
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