2019 年 62 巻 4 号 p. 149-156
バイオマス利用においては,食料と競合しないバイオマスを原料とした利用技術の開発が求められる。一方で,木質バイオマスに代表されるリグノセルロース系バイオマスは特にリグニン分などに由来するその強固な化学構造が化成品原料への変換の障害となる。筆者らは触媒反応を用いることで,種々のバイオマスから各種の燃料や化学物質を効率的に製造する様々な技術の開発 · 実証に取り組んできた。ラボスケールでの研究に加え,スケールアップした反応系としてバイオマスのガス化から液体燃料製造までの一貫したプロセス開発に取り組み,一貫型BTL(biomass to liquid fuel)ベンチプラントの安定的な実証運転による液体燃料製造を実現し,また実バイオマスを原料としたバイオジメチルエーテル(DME)の製造を行い,バイオDME混合燃料による実車走行試験への提供などを行ってきた結果を報告する。