2019 年 62 巻 6 号 p. 264-271
バイオマス由来の希薄なエタノール水溶液を蒸留して燃料として使うのではなく,水蒸気改質によって直接水素へと転換することが注目されている。本稿では,エタノール水蒸気改質を低位廃熱が利用可能な低温で進めるための電場触媒反応プロセスについて紹介する。Pt/CeO2触媒への電場印加により,従来の外部加熱による触媒反応では反応が進行しない423 Kという低温でもエタノール水蒸気改質が進行した。電場印加により,特にアセトアルデヒドの水蒸気改質が選択的に促進された。同位体を用いた検討ならびにin-situ DRIFTS測定により,電場印加によって低温でも反応性の高いアセテート吸着種が形成されるとともに,吸着OHx種が活性化されることで,水蒸気改質反応が速やかに進行し,水素収率の向上に寄与することが示された。本電場触媒反応プロセスでは,少ない電力を投入するだけで,エタノールから水素を低温かつ高効率に製造できた。