2025 年 68 巻 1 号 p. 27-35
Cu(II)-2,2’-ビピリジン錯体を触媒とし,分子状酸素を酸化剤とするベンゼンの液相酸化反応を検討した。回分反応器を用い,Cu(II)イオンにビピリジン分子が一つ,二つおよび三つ配位した3種の触媒で反応活性を比較した。ビピリジン分子が1分子配位した錯体触媒が最も高いヒドロキノン生成活性を示した。これには,錯体の配位構造や配位子の脱離のしやすさが影響を及ぼしていると推測された。次に,反応器の違いが反応活性に与える影響について検討するため,回分反応器からスラグ流反応器に変更した。結果,スラグ流反応器の方が回分反応器に比べ,約5.7倍のヒドロキノン収率を示した。スラグ流の形成によって酸素が液相に効率的に供給され続けたため,ヒドロキノンの収率が向上したものと推測された。