石油学会誌
Print ISSN : 0582-4664
活性炭の評価ならびに利用に関する研究 (第4報)
100mmφ流動床炉による活性炭の回分式および連続式再生の比較
寺田 清工藤 一至辻井 貢三戸岡 憑之横川 晃
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1978 年 21 巻 5 号 p. 277-284

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抄録
100mmφの流動床炉を用いて, フェノール類含有廃水処理に使用された活性炭の連続式再生を回分式再生と比較しながら検討した。回分式再生は通常の流動床型式において行なったが, 連続式再生は河端ら4)が提案した併流2段流動床炉 (Fig. 1) によって実施した。活性炭は石炭系の市販品であった。
まず, 使用済活性炭の熱分析を行なったところ, 前報1)における結果とは異なりほぼ連続的な重量減少が起こることがわかった (Fig. 2)。この時, メチレンブルー吸着力 (MB) はおよそ90%の回復を示したことから, 活性炭上の吸着物質のほとんどは単なる熱処理によって除去されると推定された。前報における結果との比較から, その原料および製法の違いに基づく活性炭の種類によって吸着物質の熱的な蒸発および分解特性が異なることが明らかになった。
水蒸気による回分式再生において, 新活性炭の比表面積 (S)およびMBとほぼ等しい値を有する再生炭が, 90~95%の収率で得られた。しかし, SおよびMBの増加割合は, 新活性炭をさらに水蒸気賦活した場合のそれらの増加割合と比較してかなり小さかった。これは吸着過程において増加した灰分の影響であると思われたが, さらに詳細な研究が必要である。またこの時, 再生炭の強度は新活性炭のそれと比較して約3%小さく, この点においても活性炭の種類の差が明らかであった。
連続式再生においては, 燃焼排ガスを熱源として用いることが多い工業的再生を想定して, 水蒸気に若千の空気を混合することによって共存酸素の再生に与える影響をも調べた。酸素の共存は再生収率を低下させ, また強度およびかさ密度を低下させたが, SおよびMBに対してはあまり影響がなかった (Fig. 6)。再生炭の収率をおよそ90%にすることによって, SおよびMBはほぼ完全に再生されると推定された。
連続式再生においては収率低下に対するSおよびMBの増加割合が, 回分式再生の場合と比較して幾分小さかった (Fig. 8)。しかしこれは, 共存空気による炭素の燃焼およびスクリューフィーダーによって粉化された活性炭の飛び出しに基づく再生炭収率の見かけの減少に主因があると考えられ, 併流2段流動床炉を利用した連続式再生は, 本質的には回分式再生とほぼ同様の効果を与えると推定された。
連続式再生においても回分式再生においても, SおよびMBの増加傾向が小さかったことと関連するが, 収率低下に対するかさ密度の減少割合は小さかった。このことから, 使用済活性炭の再生においては, 本来炭素の多孔質化を与えるべき炭素と水蒸気との反応が活性炭の表面のみで進行して炭素の多孔質化を促進しないという傾向があることが知られた。これに対しても, 原料および製法の違いに基づく活性炭の種類の影響があると思われたが, なお詳細な検討が必要である。
次いで, 連続式再生および回分式再生によって得られた再生炭の廃水中フェノール類に対する吸着特性を, 新活性炭のそれと比較しながら調べた。平衡吸着能力においては, 何れも新活性炭よりもやや小さかったが, 吸着速度においては新活性炭と同程度もしくはそれ以上であった。また, 連続通水試験によって破過曲線を測定したところ, 収率95~96%で得られた再生炭は, それが連続式で再生されたか回分式で再生されたかによらず, またそのSおよびMBは新活性炭の値にまで回復していないにもかかわらず, ほぼ新活性炭と同程度のフェノール類含有廃水処理能力を有することが知られた (Fig. 11)。
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