1983 年 26 巻 4 号 p. 293-297
重質油単味あるいは重質油どうしの混合物の炭化により生成するセミコークスの評価をプロトンのスピン-格子緩和時間(T1), スピン-スピン緩和時間 (T2) およびラジカル濃度で検討した。試料A/B系, A/C系およびA/F系では特定の混合比から生成したそれぞれのセミコークスでT1に最大値が, 一方ラジカル濃度に最小値が観測された。しかしA/E系では最大, 最小値は認められなかった。一方重質油単味から生成する炭化物の光学異方性組織ならびにプロトンのスピン-スピン緩和時間 (T2) の長い成分の間に良い相関がみられた。すなわち大きい異方性組織を示すセミコークスのT2は長く, 小さい異方性組織のそれは短いことが判明した。