石油学会誌
Print ISSN : 0582-4664
銅型フッ素四ケイ素雲母を触媒とするメタノールからギ酸メチルの選択的合成
森川 豊劉 業成諸岡 良彦伊香輪 恒男
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 26 巻 4 号 p. 321-324

詳細
抄録

フッ素四ケイ素雲母 (TSM) の層間NaイオンをCuイオンに置換したCu-TSMは, メタノールからギ酸メチルを得る脱水素反応の触媒として高活性•高選択性を有することを見い出したので, さらに反応の接触時間, メタノール分圧, 温度依存性を調べた。反応温度240°C以下では転化率約50% (平衡転化率に対して90%) に達するまで選択率は100%であった。より接触時間を長くすると生成ギ酸メチルのCO, H2への分解が起こる。260°C以上ではホルムアルデヒド等の生成により選択率は低下する。反応速度はメタノール分圧に1次, 見かけの活性化エネルギーは20.3kcal/molであった。

著者関連情報
© 公益社団法人石油学会
前の記事
feedback
Top