1984 年 27 巻 4 号 p. 356-361
イソブテンとC1~C5アルコールから加圧液相下でエーテルを合成する反応を, 強酸型陽イオン交換樹脂, アンバーリスト15, IR-120Bを用いて検討し, アルコールの反応性, 触媒活性の比較を行った。アルコール分子が大きいほど反応性は高く, 第一級アルコールが第二級のものより反応性が高かった。アンバーリスト15はIR-120Bより触媒としての活性は大きいが, ジイソブテンの副生も多かった。アルコール・イオン交換樹脂が共存する系のNMRを測定し, 樹脂内に存在するアルコールの共鳴線をもとに二種の触媒の差を比較し, アルコールが-SO3H基に配位し反応中間体を形成するとともに, ジイソブデンの副生を抑制すると推論した。