石油学会誌
Print ISSN : 0582-4664
石炭液化油中質油留分の水素化処理および生成油の評価 (第8報)
Ni-Mo-Al2O3触媒による液化油中質油留分の水素化処理におよぼす硫黄の効果
近藤 輝男請川 孝治松村 明光小口 勝也中村 悦郎
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1984 年 27 巻 6 号 p. 551-555

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抄録

ワンドアン炭からの液化油中質油留分の水素化処理において, 硫黄 (硫化水素) の影響を調べるため, 原料液化油中質油留分に二硫化炭素 (0.03~1.19wt%) を添加したものを, Ni-Mo-Al2O3系触媒を用い小型流通式反応装置により370°C, 100kg/cm2, LHSV 1hr-1で水素化処理を行った。脱窒素反応, 脱酸素反応, 芳香環の水素化反応のいずれに対しても, 硫黄 (硫化水素) は促進効果を示した。硫黄濃度との関係では, 硫黄量が0.3~0.4wt%程度まではとくにその効果は大きい。原料油に添加した硫黄は反応系内では硫化水素に転化し, 触媒の金属硫化物の形態を維持, さらには硫化を促進させる働きがあるものと考えられる。

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