1984 年 27 巻 6 号 p. 556-563
F-T合成により液状炭化水素 (C5+) を得る目的で, Al2O3担体 (3種) とAl2O3/MgO比の異なるスピネル担体 (6種) とに4wt%のCoを担持した触媒のCO転化率とC5+生成量とを評価した。スピネルが良好な担体であることを見い出し, さらに, 組成比の異なる担体の効果を明らかにするため, CO吸着量•COの水素化に対するパルス表面反応速度定数並びにCOの昇温脱離パターンを求めた。C5+生成には15~18mol% Al2O3過剰の担体が適し, これらの担体を用いた触媒ではCO脱離は高温で, 一方, CO2脱離 (COの不均化反応) は低温で起こる。F-T合成により得られる炭化水素はC1~C24の範囲にあり, C9とC16とにピークを持つ二つ山型の分布を示した。