1994 年 37 巻 5 号 p. 547-552
A4Sb4O8(X4O12) 系の化合物 (A=Rb, Cs, X=Si, Ge) をメカノケミカルミキシング法 (MM), ゾル-ゲル法(SG) により合成した。これらの化合物は, コーナーを共有した SbO6 八面体と4員 Si4O12 単一環によって連結した構造からなっている。種々の温度でか焼した粉末のX線回析 (XRD) から, 固体反応について考察した。中間段階における反応機構は, MM法とSG法のトポケミカル反応性の差のため異なっていた。
RbSbSi, CsSbGe は1,100°C, CsSbSi は1,150°Cで正方晶の良く発達した結晶を示し, より高温でも斜方晶に相転移しなかった。焼結体 (RbSbSi) は低い焼結性を示し, その微構造はあまり成長していない細長い粒子からなっていた。このことは, これら結晶の焼結体が多孔体となることを示している。