石油学会誌
Print ISSN : 0582-4664
焼成硫酸賦活ピッチ系炭素繊維による低濃度NOの室温アンモニア還元
持田 勲河淵 祐二弘中 基裕河野 静夫松村 雄次吉川 正晃安武 昭典
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1996 年 39 巻 2 号 p. 151-157

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抄録
ピッチ系活性炭素繊維 (p-ACF) の室温, 高湿度空気流通下における低濃度NO (10ppm) のNH3 (20ppm) による還元能を向上させるために, p-ACFを焼成し, さらに硫酸で再賦活処理を施した。p-ACFのNO転化率は, 接触時間W/F=5×10-3g•min•ml-1, 室温乾燥空気流通下において硫酸処理の前後で50%から63%に向上した。しかしながら高湿度下 (rh=80%) では, 5%から12%と低いレベルにとどまった。800°C焼成p-ACFは乾燥空気流通下で63%, 高湿度下で23%を示した。800°C焼成硫酸賦活p-ACFは乾燥空気流通下では68%を示しわずかな活性の増加であったが, 高湿度下では40%と著しく上昇した。硫酸処理による賦活は乾燥空気流通下においてNOの還元を促進する表面含酸素基を増加させるが, この増加単独では高湿度下における活性発現には有効ではない。低濃度NOのNH3による還元はわずかな数の強い活性点で起こり, むしろその活性点に対する水蒸気阻害の影響が大きいと推定されるからである。したがって, 非常に微妙な表面含酸素基および表面黒鉛化度の制御が室温, 高湿度下における低濃度NOのNH3による還元には影響を及ぼす。硫酸賦活前の焼成は水蒸気賦活によって導入された過剰な含酸素基を除去し, 黒鉛化度を向上させ, 炭素表面全体の疎水性を顕著に向上する。焼成によって反応性を制御された炭素表面に硫酸賦活は, 水蒸気阻害を最小に維持しつつ最適な数と種類の含酸素活性点を導入できたのであろう。
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