石油学会誌
Print ISSN : 0582-4664
高分子膜による有機蒸気の蒸気透過とパーベーパレーション
伊東 章
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1999 年 42 巻 2 号 p. 77-85

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抄録

高分子膜の水および有機溶媒蒸気の膜透過係数について測定法, 性質およびそれを基礎とした各種膜分離プロセスの解析法を述べた。差動トランスを応用した簡便かつ高精度の蒸気透過係数測定法を開発し, 主として酢酸セルロース系の膜と水および有機溶媒蒸気における結果を示し, 他の測定方法と比較した。高分子膜における蒸気透過係数の特徴は分圧依存性と温度依存性である。これらにつき膜内拡散に関する考察からプロセス設計に用いることのできる相関式を示した。蒸気透過係数と流れモデルによる解析法を各種膜分離プロセスに適用した。例として挙げたのはシリコーンゴム膜およびその中空糸膜モジュールによる有機蒸気回収プロセス, パーベーパレーションによる水溶液分離, 膜脱気法, 伝熱操作, 水中の希薄有機溶媒の回収操作である。これらは基本的には共通のち密層モデルによりモデル化される。さらに, 膨潤層/ち密層モデルを定式化し, 膨潤度の大きな親水性膜のパーベーパレーションに適用した。

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