2001 年 44 巻 4 号 p. 193-205
マイクロエマルション (ME) 中で合成した金属前駆体コロイドを金属アルコキシドの加水分解を利用して担体に固定化するという, 新規な触媒調製法 (ME法) について検討した。ME法でコロイドを凝集させることなく担体に均一に固定化でき, 金属粒子径分布のシャープな触媒を調製することができた。さらに, ME系の構成成分, 合成温度などコロイド合成条件を変えることで, 金属担持量とは独立して, 担持金属粒子径を制御することができた。この方法でRh担持量とRh粒子径を独立して制御したRh/SiO2触媒を用いて, Rh粒子径およびRh担持量の各々がCO水素化反応特性に及ぼす影響を明らかにした。また, 最適なRh粒子径に制御することによって, COおよびCO2水素化活性を飛躍的に向上させることができた。ME法では, 金属粒子径を変えることなく, 担体の表面積を制御することもできた。ME法触媒では, 金属と担体との相互作用が強く, Ni/Al2O3触媒によるメタンの水蒸気改質反応およびFe/SiO2触媒によるCO水素化反応において従来法触媒にはない特異的な反応特性を示すことがわかった。また, ME法触媒の耐シンタリング性は非常に高いことを示した。