Journal of the Japan Petroleum Institute
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熱拡散反応管のスケールアップ因子がメタンの転換反応特性に及ぼす影響
鈴木 研一高松 達也関口 孔明小林 基樹尾上 薫山口 達明
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2002 年 45 巻 1 号 p. 10-14

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抄録
等温系反応のスケールアップ因子である接触時間の概念を, 反応場が熱拡散反応管内の高温領域に限られる温度こう配系反応に見かけの接触時間として拡張した。見かけの接触時間は発熱体長さL[m], 反応管断面積S[m2], メタン供給速度F[mmol/min] の三つの操作因子を用いLS/Fで表した。炭素棒発熱体温度が1400K一定下で個々の操作因子を変化させメタンの脱水素カップリングを行い, 以下の知見を得た。(1) Sが0.7×10-3m2付近でメタン転化率は極大を示す。(2) Fが0.45mmol/min以上では, メタン転化率はFと負の相関を示すが, 0.45mmol/min以下ではメタン転化率はほぼ一定となる。(3) Lを0.195mから0.360mに増すとメタン転化率は顕著に増加する。(4) 生成物収率およびその性状はメタン転化率に依存する。(5) 見かけの接触時間が0.1m3min/mol以下では, メタン転化率は見かけの接触時間の増加に伴い増大する。この範囲では, 見かけの接触時間で反応結果が整理可能である。(6) メタン転化率の変化は, 反応管内の循環割合および循環ゾーンの二つの効果に起因すると考えられる。
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