アルミナとAg/SiO2を物理的に混合した触媒を用いて, プロペンによるNO選択還元反応について検討したところ, それぞれの単独触媒よりもNO還元活性が向上することがわかった。その原因を調べたところ, 物理混合による活性向上効果は, 反応中にAg/SiO2からアルミナへ銀が移動して生成したAg/Al2O3によるものであることが明らかとなった。銀の移動は酸素雰囲気下でのみ進行し, 水蒸気の共存によりこの移動が促進された。デカン還元剤によるNO選択還元においても, プロペン還元剤の場合と同様の物理混合効果が認められた。