薬学図書館
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日本薬学図書館協議会会員の専門性と継続教育について
平 紀子
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2007 年 52 巻 1 号 p. 29-34

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抄録

社会における医療を取り巻く環境変化の中で, 薬剤師は患者にわかりやすい医薬品情報の提供を行わなければならなくなった。その要求に応え, 薬学部では2006年から6年制による薬剤師養成教育が始まった。6年制カリキュラムにおいては, 早期体験学習, 少人数グループ教育, ロールプレイ等の学習方法が導入される。薬学系大学図書館員は新しい教育システムを支援すると共に, 医薬品情報を担う専門職として, 臨床現場および一般市民の情報ニーズに応えるため, さらに専門性を高めていく必要性がある。このような状況を踏まえ, 本協議会教育研究委員会では, 現在実施している研修事業に加え, 1. 各地区の地理的, 加盟館数等の格差を考慮し各地区と連携した研修会の開催, 2. e-learningプログラムの導入, 3. チーム医療の中で薬学図書館員としての役割を果たすための薬剤師と図書館員のワークショップ開催, 4. 各加盟館の新人教育, 人材育成の負担軽減につながる実践的な研修プログラムの構築, 5. 新しい評価システムのあり方についての検討を行うべきであると考える。大学と企業で構成されている本協議会の大きな特色を最大限に生かし, 専門家および一般市民の情報ニーズに対応できる医薬品情報提供者の育成に力を注いでいくことが重要である。

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