本稿は,科学技術・学術審議会情報委員会オープンサイエンス時代の大学図書館在り方検討部会が掲げた「2030デジタル・ライブラリー」構想とそれに向けた日本の大学図書館の理念的・構造的変革について論じる。デジタルトランスフォーメーションが加速し,パンデミック後の仮想的な学術環境への移行が進む中,大学図書館は物理的な施設を超えて変化し,知識へのアクセスと生産のための動的な基盤となることが期待されている。この変革の中核は,蔵書の戦略的なデジタル化,オープンアクセス,ライブラリー・スキーマの検討,専門人材の育成である。さらに「2030デジタルライブラリー」の実現に向けて,大学図書館間協力が従来の資源共有からシステム統合,プラットフォームの統合的運用,機関間での人材を含む資源共同化へと移行する必要性について論じる。