1959 年 72 巻 848 号 p. 36-43
ジベレリンは高等植物にも含まれていることが最近明らかになりつつある。本報告では, マメ科に属する15種の植物の未熟な種子のエーテル抽出物について, ペーパークロマトグラフイーに生物検定法を併用し,ジベレリンおよびオーキシンの分布を調べた。アンモニア性イソプロピルアルコールで展開すると, 二種のジベレリン類似の作用力がみられた。一つは, ジベレリンと同じRf値であり, 他は, 既知のジベレリンとはちがったRf値で, 新しい物質である。オーキシンについては, IAA, IANおよび “Accelerator α”.相当するRf値に作用力がみられた。このように, ジベレリンは高等植物にもみいだされ, 植物の伸長現象において, その役割の重要性が暗示される。