植物学雑誌
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キク科植物数属の核型分析 IX
ヨーロッパ産アスターの染色体
藤原 悠紀雄
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1962 年 75 巻 886 号 p. 143-149

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抄録

ヨーロッパ産Aster属植物について染色体数の算定と核型分析とを行ない, Aster tripolium, 2n=18; A. alpinus, 2n=18,27; A. amellus, 2n=18,54,66; A. ibericus, 2n=18,54; A. amelloides, 2n=54と決定した. 染色体基本数は9で, 3x および6xはヨーロッパ種としては新しい倍数レベルである. ヨーロッパ種の核型は対称で, 染色体は大形であり, 既報のアジア種の核型と類似し, 北アメリカ種の核型が非対称で, 染色体が小形であるのと対照的である.このことはヨーロッパ種がアジア種と共通の祖先型をもち, 原始核型を保持していることを示すものである.

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