植物学雑誌
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ホソエガサ Acetabularia calyculus の原形質流動におよぼす カリウム, カルシウム, およびマグネシウムイオンの影響
佐藤 妙子
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1962 年 75 巻 892 号 p. 384-390

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抄録

1) ホソエガサの原形質流動は, 外液のK, Ca, Mgイオンの濃度の変化によって著しく影響される.
2) 流動にたいするKイオンの最適濃度は, 正常海水中のKイオン濃度, すなわち0.01M付近にあ る. 濃度がそれより高くても, あるいは低くても, 流速は減少する.
3) 外液のCaイオン濃度を正常海水より高くすると, 流動は促進され, 低くすると抑制される.
4) Caイオンとは反対に, Mgイオンは, その濃度を正常海水よりも高くすると, 流速は減少し, 低くすると増加する.
5) CaイオンとMgイオンは, 流速にたいしてのみならず, 細胞質の形態的変化にたいしても, 相互 にあい反する影響をおよぼす. (大阪大学理学部生物学教室)

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