1969 年 82 巻 971 号 p. 204-209
クレピス•カピラリスの葉片をリンズマイアー•スクーグの寒天基本培地にインドール酢酸およびカイ ネチンを単独もしくは組合わせて添加した培地に, 暗黒中で1カ月培養し, これらのホルモンと器官形成と の関係を調べた. 基本培地では葉片は何らの形態的変化をも示さない. インドール酢酸(0.1-10ppm) は 濃度が高くなるほど発根を促進する. 基本培地に生育した幼植物の葉片に対して, カイネチンは単独で不定 芽形成を誘導するが, カイネチン培地に生育した植物の葉片に対しては, インドール酢酸とカイネチンが共 存するときにのみ, 不定芽形成がみられる. カイネチンの最適濃度は 0.5ppm である. カイネチンは濃度 が高くなるほど発根を阻害する.